肌寒い日が増えてきましたが、皆様いかかお過ごしてしょうか
前回はバイオフィルムの中には善玉菌と悪玉菌がいること、またレッドコンプレックスについてお話ししました!!
今回は、なぜ歯周病菌が歯の表面に居座ってしまうのかです。細菌の定着についてお話しします
第4回「細菌の住まい」
バイオフィルムが形成される時、まず唾液の中に含まれるタンパク質が歯面に吸着して「ペリクル」という薄い膜を形成します。
ペリクルの表面にはまず、善玉菌(比較的無害な唾液中の細菌)が付着し始めます
そういった細菌の上にさらに細菌が付着し続けてバイオフィルムは成長していきます
次に大きな「フソバクテリウム」という菌がバイオフィルムに定着していきます。
このフソバクテリウムは多くの細菌と結合できる力を持っていますまた、歯周病菌の栄養分である鉄分や、バイオフィルムの病原性を高める物質も分泌しています
悪玉菌のレッドコンプレックスとも強く結合し、歯周病菌が定着していき、歯周病が引き起こされていきます
しっかりと手入れしている綺麗なお口の中のバイオフィルムには悪玉菌は少なく、善玉菌が多くお口の中は安定しています
歯周病にならないためには…フソバクテリウムや悪玉菌が定着する前にバイオフィルムを破壊し続けていけば良いということです。
次回の内容は、そもそも歯周病菌はどこからどのような経路で我々の口の中に入ってくるのでしょうか?
虫歯菌は子供のころの口移しでうつるといわれていますが歯周病菌はどうでしょう…?
ではまた!
参考文献:天野ドクターの歯周病絵本 バイオフィルム公国物語/クインテッセンス出版株式会社